1. コンバート条件を確認する
『入金管理オプション』や『電債・受取手形管理オプション』のコンバート先は、『債権奉行クラウド』になります。
1 ‐ 1. コンバート対象製品
コンバート元の製品 | 対象製品 (○: 対象 ×: 対象外) |
対象バージョン |
---|---|---|
奉行iシリーズ 勘定奉行i11 の『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』 |
○ ○ × × |
全バージョン Ver.3.29 以降 |
奉行V ERP 勘定奉行V ERP11 の『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』 |
× × × × |
1 ‐ 2. すでに『商奉行クラウド』『蔵奉行クラウド』を運用中の場合
1)データの共有
『奉行クラウド』では、『商奉行クラウド』『蔵奉行クラウド』『債権奉行クラウド』『債務奉行クラウド』でデータが共有されます。
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すでに『商奉行クラウド』『蔵奉行クラウド』を運用中のデータ領域(法人データ)に、『債権奉行クラウド』『債務奉行クラウド』をコンバートしようとすると、データを初期化してよいかを確認するメッセージが表示されます。
そのままコンバートすると、すでにある『商奉行クラウド』『蔵奉行クラウド』のデータが初期化され、『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』のデータで上書きされます。
![]() |
運用中のデータを初期化しないために、『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』のデータはコンバートせずに、『勘定奉行』のデータだけをコンバートします。
2)『勘定奉行』のデータだけをコンバートする手順
詳細は、「5 ‐ 2. 『勘定奉行』のデータだけをコンバート」へ進みます。
2. 当サービスの制限事項
『奉行クラウド』で利用できないメニューや機能、復元しないデータ、コンバート後に再設定が必要な作業を紹介します。
2 ‐ 1.「コンバート元の製品」との機能差
未搭載のメニュー(搭載予定あり)
メインメニュー | サブメニュー | サブメニュー2 | サブメニュー3 |
---|---|---|---|
債権管理 | 入金処理 | FB入金処理 | FB入金受信データ受入 |
受取手形処理 | 受取手形てん末変更 | ||
受取手形一括決済 | |||
管理帳票 | 受取手形明細表 | ||
受取手形集計表 | |||
受取手形決済予定表 | |||
受取手形内訳表 | |||
ファクタリング処理 | ファクタリング債権てん末変更 | ||
ファクタリング債権一括決済 | |||
管理帳票 | ファクタリング債権明細表 | ||
ファクタリング債権集計表 | |||
電子記録債権処理 | 電子記録債権受入 | 電子記録債権受入データ確認表 | |
電子記録債権受入データ削除 | |||
電子記録債権てん末変更 | |||
電子記録債権一括決済 | |||
管理帳票 | 電子記録債権明細表 | ||
電子記録債権集計表 | |||
随時処理 | データ一括削除 | 債権データ一括削除 | 相殺伝票データ一括削除 |
未搭載の機能(搭載予定あり)
全般 | |
---|---|
(全般) |
|
導入処理 | |
債権債務運用設定 |
|
債権債務機能設定 |
|
取引先登録 |
|
債権残高入力 |
|
前受金残高入力 |
|
売上債権処理 | |
債権データ抽出 |
|
入金処理/相殺処理(『支払管理オプション』とあわせてご利用の場合) | |
入金情報登録 |
|
各消込メニュー |
|
受取手形処理/ファクタリング処理/電子記録債権処理/領収証 | |
(全般) |
|
受取手形入力 |
|
ファクタリング債権入力 | |
電子記録債権入力 | |
受取手形日計表 |
|
電子記録債権譲渡データ作成 |
|
領収データ抽出 |
|
管理帳票 | |
請求先元帳 |
|
入金集計表 |
|
滞留債権年齢表 |
|
前受金残高一覧表 |
|
随時処理 | |
汎用データ作成 |
|
搭載予定のないメニュー
債権管理 | |
---|---|
銀行依頼書 | |
受取手形内訳書 | |
領収証分割 | |
領収証送付案内 | |
印紙税納税申告書[領収証] | |
随時処理 | |
送付案内書座標登録 | |
封筒宛名座標登録 | |
領収証座標登録 |
搭載予定のない機能
全般 | |
---|---|
(全般) |
|
導入処理 | |
部門 |
|
部門グループ |
|
担当者登録 |
|
取引先登録 |
|
売上債権処理 | |
債権データ抽出 |
|
入金処理/相殺処理(『支払管理オプション』とあわせてご利用の場合) | |
各消込メニュー |
|
電子記録債権処理 | |
電子記録債権ファイル受入 |
|
電子記録債権作成 |
|
領収証入力 |
|
領収データ抽出 |
|
領収リスト |
|
領収証発行 |
|
管理資料 | |
債権残高一覧表 |
|
履歴管理 | |
債権伝票履歴 |
|
入金伝票履歴 | |
随時処理 | |
汎用データ作成 |
|
その他 | |
(全般) |
|
2 ‐ 2. コンバートできないデータ
コンバート後に、あらためて登録や設定が必要なデータ | |
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|
コンバートされないデータ | |
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債権データのコンバート
- 入金消込済みで、[入金伝票承認]メニューで消込承認まで完了しているデータは、債権回収済みのためコンバートされません。
- 入金未消込のデータは、債権残高としてコンバートされます。
- 入金消込済みでも消込承認がされていないデータは、入金消込が取り消されてコンバートされます。
取り消された場合は、「データコンバート結果確認リスト」に対象のデータが出力されます。そちらを参照のうえ、『債権奉行クラウド』で入金消込処理をしてください。
入金消込 | 消込承認 | 債権残高のコンバート |
---|---|---|
未消込 | - | 債権残高がコンバートされる |
消込済 | 未承認 | 入金消込は取り消され、債権残高がコンバートされる |
消込済 | 承認済 | 債権残高はコンバートされない |
入金情報等のコンバート
- 消込済み(振替済み)で、消込承認(振替承認)まで完了しているデータはコンバートされません。
- 未消込の入金情報・前受金データ、未振替の仮受金データがコンバートされます。
- 消込済み(振替済み)でも、消込承認(振替承認)が完了していないデータは、消込(振替)が取り消されてコンバートされます。
取り消された場合は、「データコンバート結果確認リスト」に対象のデータが出力されます。そちらを参照のうえ、『債権奉行クラウド』で消込処理(振替処理)をしてください。
ステータス | 入金承認 |
入金消込 |
消込承認 振替承認 |
入金情報/仮受金残高/前払金残高のコンバート |
---|---|---|---|---|
0:未確定 | 入金情報がコンバートされる | |||
1:入金 | 未消込 | - | 入金情報がコンバートされる | |
消込済 | 未承認 | 入金消込は取り消され、入金情報がコンバートされる | ||
消込済 | 承認済 | 入金情報はコンバートされない | ||
3:非連結 | 未承認 | - | - | 入金情報がコンバートされる |
承認済 | 未消込 | - | 入金情報がコンバートされる | |
承認済 | 消込済 | 未承認 | 入金消込は取り消され、入金情報がコンバートされる | |
承認済 | 消込済 | 承認済 | 入金情報はコンバートされない | |
2:仮受金 | 未承認 | - | - | 入金情報がコンバートされる |
承認済 | 未振替 | - | 仮受金残高がコンバートされる | |
承認済 | 振替済 | 未承認 | 仮受金振替は取り消され、仮受金残高がコンバートされる | |
承認済 | 振替済 | 承認済 | 仮受金残高はコンバートされない | |
4:前受金 | 未承認 | - | - | 入金情報がコンバートされる |
承認済 | 未消込 | - | 前受金残高がコンバートされる | |
承認済 | 消込済 | 未承認 | 前受金消込は取り消され、前受金残高がコンバートされる | |
承認済 | 消込済 | 承認済 | 前受金残高はコンバートされない | |
入金消込時の過入金(仮受金) | ||||
仮受金 | 未振替 | - | 仮受金残高がコンバートされる | |
振替済 | 未承認 | 仮受金振替は取り消され、仮受金残高がコンバートされる | ||
振替済 | 承認済 | 仮受金残高はコンバートされない |
受取手形・ファクタリング債権・期日現金・電子記録債権データのコンバート
- 『債権奉行クラウド』の『Bシステム』以下をご契約の場合
コンバートされません。 - 『債権奉行クラウド』の『Sシステム』をご契約の場合
以下のようにコンバートされます。
データ てん末 コンバート 受取手形 手許・取立・割引・裏書
コンバートされる 決済・返却・担保・流動化・不渡
コンバートされない ファクタリング債権 手許
コンバートされる 割引・譲渡
差引残高があればコンバートされる 返却・決済
コンバートされない 期日現金 手許
コンバートされる 返却・決済
コンバートされない 電子記録債権 手許・割引・譲渡
コンバートされる 流動化
差引残高があればコンバートされる 決済・取消・担保・決済不能
コンバートされない
2 ‐ 3. 『債務奉⾏クラウド』の契約が必要なデータ
『電債・受取手形管理オプション』でてん末「譲渡」の機能をお使いの場合は、『債務奉行クラウド』の『Sシステム』もあわせてご契約ください。
2 ‐ 4.「コンバート元の製品」との運用変更点
『奉行クラウド』では、『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』は『勘定奉行』から独立し『債権奉行クラウド』になり、いくつか運用が変更されます。
1)勘定科目や部門、取引先マスターは別管理
勘定科目や部門、取引先マスターは、『勘定奉行クラウド』のデータとは別で保持されます。
新しくマスターを追加する場合は、『勘定奉行クラウド』と『債権奉行クラウド』のそれぞれで登録し、仕訳伝票の連携時に関連付けを設定します。
また、コードや名称を修正する場合もそれぞれで操作します。(修正後も関連付けは維持されます。)
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参考 | コンバートでは、『勘定奉行クラウド』と『債権奉行クラウド』のそれぞれにデータがコンバートされます。 仕訳伝票の連携前までに関連付けを設定します。(コンバート後に、別途手順の説明があります。) |
2)「取引先」名称の変更
「取引先」の名称が「請求先」に変わります。
また、取引先の支払管理に関する情報は、『債務奉行クラウド』の「精算先」として別データで保持されます。
『支払管理オプション』(『債務奉行クラウド』)をあわせてご利用で、新しく追加する取引先での相殺処理や仮受金を振込みで返金する場合は、請求先と精算先をそれぞれ登録し取引先コードで関連付けます。
![]() |
参考 | コンバートでは、請求先と精算先が関連付けられた状態でコンバートされます。 |
3)仕訳データの作成と仕訳伝票の登録
仕訳伝票は、仕訳データの作成と同時に登録されません。『債権奉行クラウド』では、仕訳伝票の作成対象を選択できるようになります。
『債権奉行クラウド』で仕訳データを作成し、『勘定奉行クラウド』で確認しながら仕訳伝票を登録します。
![]() |
|
作成対象の入金伝票を選択し、 仕訳の元データを作成します。 |
仕訳伝票を確認し、登録します。 |
3. 今使用中のデータがコンバートできるかを、ツールでチェックする
『勘定奉行』の手順をご確認ください。
4. コンバート用にデータを整備する
4 ‐ 1. コンバート可能な明細件数の確認
コンバートでは、奉行クラウドの各システムで登録できる「基本明細件数」までコンバートできます。
基本明細件数 | 最大明細件数 | 「基本明細件数」を超える場合 | |
---|---|---|---|
Eシステム | 50,000件 | 50,000件 | 『Jシステム』以上をご契約ください。 |
Jシステム | 100,000件 | 100,000件 | 『Aシステム』以上をご契約ください。 |
Aシステム以上 | 400,000件 | 2,000,000件 | 『明細数拡張 for 債権奉行クラウド』を追加で契約することで、コンバートできる明細件数を「最大明細件数」まで増やすことができます。 100,000件単位で追加できます。 |
参考 |
売上伝票・債権伝票・入金伝票の総明細件数です。(『Sシステム』では売上伝票を登録すると債権伝票が自動作成されます。) |
4 ‐ 2. 取引先の「郵便番号」および「電話番号」の確認と整備
(すでに『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』を運用中の場合)
『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』の得意先と「コンバート元の製品」の取引先が同じコードの場合は、「郵便番号」および「電話番号」が一致している場合だけ同じ取引先と判断してコンバートします。
したがって同じ取引先の場合は、コンバートする前に『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』の得意先と「コンバート元の製品」の取引先を確認し、「郵便番号」「電話番号」を揃えておいてください。
違う取引先の場合は、別のコードに変更しておいてください。
4 ‐ 3. 請求書のPDF発行
(すでに『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』を運用中の場合)
コンバートすると、『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』で登録済みの請求伝票が削除されます。
したがってコンバートする前に、『奉行Edge 請求管理電子化クラウド』ですべての請求書をPDF発行しておいてください。
5. 本番実行前に、製品環境を確認する
5 ‐ 1. コンバートを実行するパソコンの確認
データコンバートは、「コンバート元の製品(『勘定奉行』と『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』)」がセットアップされているパソコンで実行します。
同じパソコンに『債権奉行クラウド』をセットアップすると、コンバートができます。
参考 | 「コンバート元の製品」がネットワーク対応製品の場合は、クライアントプログラムと同じパソコンにセットアップします。 |
5 ‐ 2. 『勘定奉行』のデータだけをコンバート
すでに『商奉行クラウド』『蔵奉行クラウド』を運用中の場合は、『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』のデータはコンバートせずに、『勘定奉行』のデータだけをコンバートします。
- コンバート前に、『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』をアンインストールすると、『勘定奉行』のデータだけがコンバートされます。
参考 アンインストール
- アンインストールしても『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』のデータは消えません。コンバート後に再セットアップすると、再度データを確認できます。
- 「ネットワーク対応製品」の場合は、「クライアントプログラム」だけをアンインストールします。
- アンインストールとセットアップの方法は、お手持ちの「セットアップマニュアル」で手順をご確認ください。
- 『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』『支払管理オプション』『電債・支払手形管理オプション』のデータを移す方法(汎用データ作成/受入)は、契約前はOBCまたは販売パートナーへ、契約後はサポートセンターまでお問い合わせください。
他製品についての「データコンバートのための準備・確認」
『入金管理オプション』『電債・受取手形管理オプション』と同じパソコンで、同じカテゴリの製品をあわせて利用している場合は、同じタイミングでデータがコンバートされます。
「コンバート先の製品」の画像をクリックして、引き続きデータコンバートのための準備や確認をしてください。
『勘定奉行』![]() |
『勘定奉行[個別原価管理編]』![]() |
『勘定奉行[建設業編]』![]() |
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『固定資産奉行』/『償却奉行』![]() |
『支払管理オプション』 『電債・支払手形管理オプション』 ![]() |